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オスピス・ド・ボーヌ:理想的なヴィンテージで売上記録更新

オスピス・ド・ボーヌ:理想的なヴィンテージで売上記録更新 (2018年11月19日)

第158回オスピス・ド・ボーヌ・オークションの売上は1419万9250ユーロに達し、過去最高を記録した。

バタール・モンラッシェ (BATARD-MONTRACHET GRAND CRU ) の1樽が13万5000ユーロで落札され、ワイン1樽の最高落札額を更新した。

今年の「ピエス・デ・プレジダン(売上金は毎年慈善団体に寄付される)」は、ANIMA VINUM社(ブラジル)およびアルベリック・ビショー氏とその顧客(カナダ人)によって23万ユーロで落札された。

赤ワイン631樽と白ワイン197樽の合計落札額が1395万1,000ユーロ
ピエス・デ・プレジダンが23万ユーロ
赤ワイン1樽の平均落札額:1万5,486ユーロ
白ワイン1樽の平均落札額:2万1212ユーロ

1樽当たりの平均落札額は1万6850ユーロで、対前年19%のアップとなった。(2017年:1万4161ユーロ、2016年:1万3041ユーロ)


オスピス・ド・ボーヌ、そして醸造責任者Ludivine Griveau氏の手腕により、今年のオークションにはピエス・デ・プレジダン2樽を含む828もの樽が出品された(2017年は787樽)。7時間に及ぶオークションを終え、オスピス・ド・ボーヌと主催者クリスティーズは、記録的な大量出品にもかかわらず売上は1420万ユーロ、過去最高額に達したと発表した。
 
オスピス・ド・ボーヌのディレクター、François Poher氏は「1918年11月10日、平和の歓喜に包まれる中、質にも量にも恵まれた収穫だったことも手伝い、オスピス・ド・ボーヌ・オークションは記録を更新した。それから1世紀後、オークションはまた過去最高を記録した。」と話す。「ボーヌ市立病院のスタッフは、現在も日々最高の医療サービスを目指したゆまぬ努力を重ねている。このような社会的大義に尽くすスタッフらの忠誠のもと、オスピスの慈善オークションは5世紀以上にわたり運営されている。競売で得られた収益は、患者へのサービス充実や施設の維持に使われている。」
 
ドメーヌ・デ・オスピス・ド・ボーヌの醸造責任者Ludivine Griveau氏は「今年の素晴らしい結果を大変嬉しく思っている。繰り返すが、2018年が質・量ともに素晴らしいことはこの出品された828樽が明らかにしている。素晴らしいワインを届けるヴィンテージになると確信しており、私からの指示を真剣に受け止めてくれた23名のチームメンバー、そして一年にわたり私をサポートし続けてくれたオスピス・ド・ボーヌの経営陣には心から感謝している。」と話した。
 
クリスティーズは2005年からオスピス・ド・ボーヌのワインの試飲会を世界の主要都市で定期的に行っており、アメリカやヨーロッパ、2010年からはアジアにまでオスピスワインの販促活動を広めている。
クリスティーズとオスピス・ド・ボーヌはチームを組み、シンガーポールからロンドン、上海からロサンゼルスへと世界中をまわり、25のイベントを行った。
オークションのスペシャリスト、Agathe de Saint Céran氏とマスター・オブ・ワインでクリスティーズのコンサルタントを務めるJasper Morris氏は、「2018年のオスピス・ド・ボーヌ・オークションは、このチャリティー・オークション史上最高のパフォーマンスを記録し、全ての面で我々の期待を上回ってくれた。Ludivine Griveau氏とのコラボレーションは実を結び、今年もまた赤・白共に素晴らしいヴィンテージの誕生を目の当たりにすることが出来た。これらのワインは、このチャリティー・オークションに参加するため世界中から集まった愛好家やプロフェッショナルからとても高く評価された。69%の樽はネゴシアンに落札され、残り31%はヨーロッパ(38.3%)、アジア(55%)、アメリカ(6.7%)からの愛好家が競り落とした。」と話した。*()内は金額ベース。

ピエス・デ・プレジダン:23万ユーロ
オスピス・ド・ボーヌは1978年から毎年、慈善団体への寄付を目的にしたピエス・デ・プレジダンをオークションにかけ、その売上で1つ、もしくは複数の慈善事業をサポートしている。1945ヴィンテージから一人もしくは複数の有名人がオークションの司会を努めており、今年はパスツール研究所、BAB、Asmaeの3つの団体のため、女優のナタリー・バイ、小説家のエリック・オルセナ、女優のエマニュエル・ベアール、俳優のパスカル・エルベが采配を振るった。今年のピエス・デ・プレジダンは2樽で、コルトン・クロ・デュ・ロワ(Corton Grand-Cru – Clos du Roi)とムルソー・ジュヌヴリエール(Meursault Premier Cru Les Genevrières)それぞれ1樽づつ。ANIMA VINUM社およびアルベリック・ビショー氏とそのカナダの顧客が共同で、23万ユーロで落札した。

2018年11月26日

2018年フランスのワイン生産量予測

Agreste Conjoncture  Viticulture4/4 Novembre 2018 No.2018-166
2018年のワイン生産量は4,660万hlの見通し

11月1日時点のフランス農水省統計局(SSP)の予測によると、2018年のフランスのワイン生産量は4,660万hlに達し、2017年と比べ26%増、過去5年間の平均に対しても6%増が見込まれている。収穫は全ての地域で終了している。ほぼ全ての地域で天候に恵まれた収穫となった。


2018年11月1日に発表された予測によると、2018年のフランスのワイン生産量は4,660万hlに達する見通し。霜や乾燥が深刻な影響を与えた2017年と比べ26%の増加、過去5年間の平均に対しても6%の増加が見込まれている。

「AOPワイン」・「蒸留酒向けワイン」・「IGPワイン」・「その他(地理的表示のないワインを含む)」のカテゴリー別で見てみると、生産量は全てのカテゴリーで前年に対し増加、「その他(地理的表示のないワインを含む)」以外のカテゴリーでは、過去5年間の平均に対しても同等、もしくは増加の見込み。「その他(地理的表示のないワインを含む)」のカテゴリーだけは、過去5年間の平均に対し7%の減少となっている。
カテゴリー別生産量予測 / AOPワイン:対前年29%増の2,274万hl(過去5年平均に対し12%増)、蒸留酒向けワイン:対前年24%増の845万hl(同5%増)、IGPワイン:対前年20%増の1,229万hl(同+-0%)、その他(地理的表示のないワインを含む):対前年43%増の304万hl(同7%減)。

半数以上の地域で9月末には収穫が終わり、ブルゴーニュ、ボージョレ、シャンパーニュ、アルザスでは特に早い収穫となった。ロワール、シャラント、ボルドー、南西地方でも10月には終了した。乾燥した素晴らしい天候のもと、至るところで健康なぶどうが最適な熟度で収穫できた(コルシカ島は例外)。アペラシオンで規制されている最大収穫量に達した畑もあり、ストックを確保できた。

夏の猛暑でヴェレゾンは遅れ、いくつか産地で水分ストレスが高まった。続く日照りや乾燥で局地的に生産量に影響が出るようだが、フランス全体で見ると大した影響は無いようだ。夏が始まった時に畑が蓄えていた水分が、過去30年間の平均量を上回っていたからだ。

2018年の春から、大西洋や地中海沿岸のワイン産地でベト病が猛威を振るった。 地中海沿岸部が特にひどく、潜在収穫量の一部を失った。繰り返す雨や嵐、そして高い気温が病気を蔓延させたが、夏の中盤に猛暑となり勢力は弱まった。ぶどうの被害は夏の初めから見られていたが、収量減がそれほどでもないとの判断が出たのはヴェレゾンが終わってからだ。ベト病発生の前、南西地方、南東部、コルシカ島で多少の花ぶるいが起きたものの、果実の形成の始まりとなる開花・結実は多くの産地で問題なかったからだ。


各地の状況: ( )内の数字は「2018年予想収穫量」・「対前年増減率」・「過去5年平均に対する増減率」

シャンパーニュ(338万hl、+51%、+35%)
収穫は9月末に、素晴らしい天候のもと終了した。生産量は昨年そして過去5年平均を大きく上回る見込みだ。収穫量規制をオーバーするとの予測を考慮し、収穫されないぶどうもあった。

ブルゴーニュ・ボ-ジョレ(267万hl、+21%、+20%)
収穫は9月に終了。最終的には乾燥の影響で収穫量が減少することはなかった。気象や衛生面で問題の少ない一年だった。生産量は昨年を上回る見込み。ある程度の量がストックへまわるだろう。

アルザス(117万hl、+28%、+13%)
収穫は早い時期に、恵まれた天候のもと行われた。日照りや乾燥による被害は局地的でしかなかったが、若いぶどう樹が影響を受けた。生産量は霜の被害を受けた昨年を大きく上回り、過去5年平均も上回る見込み。

サヴォワ(12万hl、+26%、+14%) ジュラ(11万hl、+154%、+66%)
サヴォワでは9月末に収穫が終了。ジュラではアペラシオンで規制されている最大収穫量に達する見込み。生産量は収穫がかなり少なかった2017年を大幅に上回る見込だ。

ロワール(306万hl、+38%、+22%)
夏の終わりに雨が降ってくれたおかげで、ぶどうは収穫の直前に成熟した。収穫は10月中旬に終了した。生産量は前回の予想から上方修正された。ある程度の量がストックへまわるだろう。ベト病の影響で局地的に収穫を失ったところがあるものの、生産量は過去5年平均をも上回る見通し。

シャラント(855万hl、+24%、+5%)
最初の収穫は雹の被害にあった区画からで、収量は少なかった。収穫が全て終了した時点で、平均収穫量が上方修正された。雹や夏の間の病害の影響はあったものの、収穫量は最終的に過去5年平均を上回る見通し。

ボルドー(539万hl、+46%、+5%) 南西地方(366万hl、+23%、+10%)
ボルドーでは11月1日現在、甘口白ワイン用以外の収穫は全て終了している。恵まれた天候の下での収穫だった。収穫量はかなりバラつきがある。ベト病で、生産量は平均10%の減少となった。しかし霜の被害が大きかった2017年と比べると、収穫量は大幅に上回るだろう。南西地方では、非常に恵まれた天候のもと収穫が行われた。ボトリティスが繁殖していなかったのは驚くべきことだ。ベト病や乾燥で局地的に収穫に影響が出たものの、生産量は非常に少なかった昨年、そして過去5年平均ともに上回る見通し。    

ラングドック・ルーシヨン(1,260万hl、+21%、+-0%)
収穫は9月末、素晴らしい天候の中で終了した。ぶどうは最適な熟度で収穫された。ベト病の被害は地区によってバラつきがあり一様ではない。雹やベト病の被害を免れたところでは予測を上回る収穫量だ。収穫が減少した2017年に続く今年の生産量は、過去5年平均と同等レベルとなる見込みだ。

南東部(476万hl、+12%、-10%)
収穫は9月末に終了した。ほとんどの県で恵まれた天候の中での収穫だった。しかし生産量は、ヴァール県やヴォクリューズ県で被害が大きかったベト病による損失の影響で、過去5年平均を下回る見通し。

コルシカ島(31万hl、+10%、-5%)
収穫に時に雨が続いたため、腐敗果の選別や、収穫の断念を余儀なくされた。生産量は過去5年平均を下回る見通し。

2018年11月20日

2000・2001ヴィンテージのブルゴーニュの赤ワインは今?

France, Burgundy: 2000 & 2001 Red Burgundies - How About Now?
William Kelley
『ワインアドヴォケイト』235号(Feb ‘18)より

まもなく20年となる2000・2001ヴィンテージのブルゴーニュの赤ワインは、今どうだろう?どちらも“生産者”のヴィンテージと呼ばれ、厳しい条件で彼らの気概が試された年だった。そして、ブルゴーニュの素晴らしいヴィンテージ、1999年と2002年に挟まれるという不運にも見舞われた。2000年・2001年はどちらも腐敗との戦いで、生産者は皆熟したぶどうを造ろうと悪戦苦闘した。だが似ているのはそこまでで、造られたワインのスタイルは全く違う。

これらのヴィンテージを振り返ると、ブルゴーニュがどこまで進んだか、ということに気付かされる。この記事に出てくるワインの多くが、ヘビートーストされた新樽の特徴が前面に出て、抽出も激しかった。多くは既に第三アロマやフレーヴァーが支配的で、果実は今その痕跡をとどめるにすぎない。偉大なワインをつくることは目的地ではなく旅路であり(結果ではなく過程であり)、より良いものを目指すことには終りはない。だが1990年代から2000年代はじめにかけて進歩を続けていた多くの醸造・栽培技術は、現在は完成に至っており、もしもこの二つのヴィンテージが今造られるとしたら、もっと良いワインができる、と私は確信している。

ヴィンテージ2000:
2000年は雨が多く、湿った生育期だった。腐敗が猛威を振るい、コート・ド・ボーヌ地区では収穫の10%~40%が被害にあった、という推計もある。8月は暖かく晴れ間もありこのヴィンテージを救うこととなったが、収穫自体は雨の中で行われた。コート・ド・ボーヌ地区では滝のような雨に見舞われたが、コート・ド・ニュイ地区ではそこまで激しくはなかった。傾向としてぶどう樹は多くの実を付け、房は大きく、果皮は薄かったため、収量を制限しなかったところではしっかり熟したぶどうが造れず、セラーで補糖をすることになった。酸は平均より低めで、腐敗した実はしっかり取り除かなければならなかった。

今日、2000年のブルゴーニュの赤ワインはほとんどが完全に熟成しており、あまり成功しなかったものの一部ではピークを過ぎつつある。北部のコート・ド・ニュイ地区が最も成功しているが、品質の指標はアペラシオンより生産者だと言える。1999年、2001年そして2002年の最高のワインのような深みや複雑さは持ち合わせていないが、2000年のトップワインは、しなやかで受け入れやすくチャーミングだ。最近、ジスレーヌ・バルト、デュジャック、アルマン・ルソー、シャンドン・ド・ブリアイユ、デュガ・ピィ等のワインを楽しむ機会に恵まれたが、2000年ヴィンテージは紛れもなく熟成のピークとして飲む価値のあるものだ(1999年や2002年の最高のものは、まだピークに達していない)。2000年は見極めや選択が必要なヴィンテージではあるが、注意深く探せば、飲み頃の近い素敵なワインにまだ沢山出会えるだろう。

ヴィンテージ2001:
結実が短期間で終わった2000年に対し、2001年は開花が以上に長引き、同じ畑の中でも全てが開花し終わるまでに数週間もかかった。そのため、実が均一に成熟する見込みも、いつものことだがかなり低くなった。暖かく湿った春は病害のリスクをもたらし、夏は晴れ間が少なく涼しく、雨も頻繁に降った。ヴォルネイ、ポマール、モンテリーは、8月2日の雹で大打撃を受けた。丘陵地帯全体で、ぶどうの皮は2000年より厚く、生理学的に成熟するのは簡単ではなかった。この年もまた、収量を抑えることと(ぶどうの)厳しい選別が、成功には不可欠となった。酸は平均より高かったため、マロラクティック発酵が終わってやっと落ち着いた。

しなやかで受け入れやすい2000年と比べ、2001年のブルゴーニュの赤ワインは明らかに堅固で、酸がより前面に出て、色調も濃く、骨格はチョーキーなタンニンに支えられている。ベストなワインはやっと飲み頃に入ったばかりで、まだそこまで達していないワインもある。繰り返しになるが、2001年は“生産者”のヴィンテージと言われるが、このヴィンテージの全ての可能性を引き出せた生産者は、凝縮し骨格のしっかりした、素晴らしい熟成ポテンシャルを秘めたワインを造った。先日、ロベール・シュヴィヨン、ミュニュレ・ジブール、クロード・デュガ、ドルーアンそしてルーミエの素晴らしい2001ヴィンテージを楽しんだ。いくつかは、まだ後10年以上ポジティブな展開が期待できることが明らかだった。もちろん、成功できなかった生産者のワインは、薄く痩せて、熟成由来のキャラクターが前面に出ており、そういうものも多かった。しかし、概括すると、2001ヴィンテージは2000ヴィンテージよりチャーミングではないとしても、ベストな状態であればよりシリアスなワインで、量的には2000年を上回っている。

この記事に出てくるコメントの多くは、Sarah Marshマスターオブワインが企画しロンドンで行われた、ブルゴーニュ赤ワイン2000&2001ヴィンテージの試飲会の時のものだ。そこで試飲した蔵出し35銘柄の私のメモに、それ以外で最近試飲した同ヴィンテージのワインのコメントを補完した。ポンソのシャンベルタンやクロ・ド・ラ・ロッシュ、ルソーのクロ・サン・ジャック、ドルーアンのミュジニー、クロード・デュガのジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ等、抵抗し難い2001ヴィンテージの最近のコメントを載せた私のバックナンバー、“Up From the Cellar 26” をもう一度読んでみようと思う読者もいるかもしれない。ベルナール・デュガ・ピィのマジ・シャンベルタン2000の最新のコメントもご覧あれ。

2018年05月01日

ボルドーワイン:春の霜で奪われた2017ヴィンテージ

2018年2月7日 La Revue du vin de France のWebサイト より

昨年春の度重なる霜の影響で、ボルドーでは2017ヴィンテージを生産できないシャトーもある。

「難しいね、通常の売上の90%の損失だから。」バルザックのシャトー・クリマンのテクニカルディレクター、フレデリック・ニヴェル氏は、空のセラーを眺めながら嘆く。4月の霜で大打撃を受けたソーテルヌの名高いシャトーは、2017ヴィンテージを諦めることとなる。
前回シャトー・クリマンを発売できなかったのは1993年、それ以降は発売できなかった年はなかった。「(2017を諦める)理由は二つある。質と量だ。まずまずのロットが9つあるが、クリマンをつくるには不十分だ。ポテンシャルは高かったのに、残念だ。」

生産者5人に1人は70%以上の収穫減

収量は20hl/haから僅か2hl/haへと減少し、現在セラーにあるのは約30樽 (9000本) のワイン。解決策は、と聞くと「在庫を持つことと、後ろからついてくる銀行家」と言う。「でも、こんなことが2年も3年も続くのは絶対ダメだ。」
昨年春の霜は、ボルドーの全てのアペラシオンに被害を与えた。ジロンド農業会議所によると生産者5人に1人が70%以上の収穫減ということだが、立地条件が良かったり、霜から保護できたりと、畑によっては全く影響がなかったところもある。
ソーテルヌ周辺では、シャトー・クリマンのように標高の低い区画の被害が大きかった。
しかし標高の高い畑は霜の被害を免れ、イケムやリューセック等は窮地を逃れた。逃れただけではない。ソーテルヌ・バルザックの保護団体(ODG)の代表、グザヴィエ・プランティ氏によると「ボトリティスの発達が見事で、素晴らしいヴィンテージ」との予測だ。

霜保険?

他の多くのシャトー同様、クリマンでも霜による損害をカバーする保険には入っていなかった。1991年以降ボルドーは霜害に見舞われておらず、稀にしか起こらない災害の備えにしては高すぎるからだ。ごく稀に保険をかけているシャトーもあるが、収支は合わないようだ。保険をかけていたシャトー・ギローでは、40%収穫を失ったにもかかわらず、保険金は受け取っていない。なぜかというと、保険の支払いは平均収量に基づいて計算されるので、ソーテルヌの甘口ワインの収量はそれに達しないからだ、と、シャトー・ギローのオーナーの一人でもあるグザヴィエ・プランティ氏は説明する。
ソーテルヌ・バルザックのアペラシオンでは、平均で収穫の50%を失った。有名で、広大な畑を持つシャトーは、他よりはこの事態を上手く切り抜けられている。それは「銀行が後ろからついてくる」からだ、と話すのは、あるビオの生産者。しかし、ソーテルヌで50ha以上の畑を有するのは、173のシャトーのうち10にも満たないのが現状だ。
被災したワイン生産者救済団体“SOS Vignerons sinistrés”の調査によると、2018シーズンの資金調達が出来ない恐れがあるぶどう園は、ジロンド県で300から400になるという。その大半は、ほぼ無いに等しい2017年の僅かな収穫を、今後数ヶ月の間にバルクで売りに出さなければならなくなるかもしれない。

銀行の貸し剥がし

「年が明けると1月3日から、銀行は資金の回収を始めている。短期貸付の返済を期限到来前に迫る書留が送られている。」 救済団体の代表、フローレンス・カルドソ氏は「どうしたら良いかわからず、皆が途方にくれている」と話す。
不吉な予兆もある。いくつかの区画では冬の剪定が行われておらず、オーナーが (定年が近く跡継ぎがいない場合は特に) ワイナリーを放棄してしまうのではないか、と懸念する生産者達も多い。
続けられないことを既に悟っている人もいる。「会社更生の手続き中だったが、今回の霜で全てが終わってしまった。価格は上がったが、この状態を切り抜けられるほどじゃない。倍にでもなったら助かったのに!」40代の男は、匿名でこう打ち明ける。「収穫の60~65%を失った。今の状況から抜け出すには全部必要だったが、これじゃ足りないだろう。」

2018年02月16日

2017年収穫量予測(フランス)

Agreste Conjoncture  Viticulture3/4 Octobre 2017 No.2017-147
10月1日時点の2017年の収穫量の予測は、過去5年間の平均に対し18%の減少。

2017年10月1日、大半の畑で収穫が終わっている中フランス農水省統計局(SSP)が発表した収穫量予測によると、2017年の収穫量は3,690万hlと予想され、2016年より19%減、過去5年間の平均に対しても18%減が見込まれる。南西部(特にボルドー地方)、シャラント、ジュラ、アルザス等の地域では春の霜が被害をもたらし、南東部、ラングドック、コルシカ島、ボージョレ地域では乾燥が猛威をふるった。その為、これらの地域、及びフランス全体の収穫量予測は下方修正された。ボルドー及びシャラント地方では、最後に天候に恵まれたおかげで収穫量の予測が上方修正されたが、2016年や過去5年間の平均と比べると依然低い水準だ。

フランス農水省統計局(SSP)が発表した10月1日時点の今年第三回目の収穫量予測によると、 2017年の収穫量は、3,690万hlと予想され、2016年より19%減、過去5年平均に対しても18%減が見込まれる。これは記録的な減少であり、春の霜で影響を受けた1991年を上回る減少である。
収穫量減少の一番の原因は春の厳しい寒さで、発芽したばかりの芽が霜害を被った。被害の程度は様々だが、ほぼ全てのワイン産地が被害を受けた。最も被害が大きかったのは、南西部(特にボルドー地方)、シャラント、アルザス、ジュラ等の地域。 霜の害を被った区画では、2番芽(contre-bourgeons)が成長し損失を一部埋め合わせることが出来たところもあった(特にロワールやボルドー)
 ブルゴーニュ・ボ-ジョレ、南西地方、ラングドック、南東部では、雹による被害で生産量が減少。地中海沿岸地域では花ぶるいが目立った。特にグルナッシュに多かった。
 前回の予測(8/21、3,720万hl )以降、南東部、コルシカ、ラングドック、ボージョレでは乾燥が続いた。これに暑さと風が重なりぶどうが乾燥(脱水)したため、これらの地域、ひいてはフランス全体の予測収穫量が下方修正された。その反対に、いくつかの沿岸地方(特にボルドー、シャラント)では、タイミングよく降った雨がぶどうの成長を助け、生産量が上方修正されている。
 湿った地域(シャンパーニュ、シャラント、ボルドー、アルザス)では腐敗が始まったので、収穫時期を繰り上げた。
 10月1日時点で、大半のワイン産地で例年より早い収穫が終わっており、最も収穫の遅い地域(特にシャラント)でも収穫は始まっている。

《 「AOPワイン」「蒸留酒向け」「IGPワイン」「その他(地理的表示のないワインを含む)」 》のカテゴリー別で見てみると、すべてのカテゴリーにおいて収穫量予測は2016年と比べて減少している。特に「その他(地理的表示のないワインを含む)」が影響を受けている。カテゴリー別の収穫量予測は、AOPワインが対前年19%減の1,701万hl(過去5年平均に対し17%減)、蒸留酒向けのワインが対前年12%減の681万hl(同17%減)、IGPが対前年17%減の1,067万hl(同16%減)、その他(地理的表示のないワインを含む)が対前年39%減の242万hl(同32%減)と予想される。

各地の状況: ( )内の数字は「2017年予想収穫量」「対前年増減率(%)」「過去5年平均に対する増減率(%)」

シャンパーニュ(194万hl、-6%、-21%)
8月の終わりから雨が続きシャルドネに腐敗が広がった。そのため収穫時に腐敗果を選別しなければならず、前回の予想収穫量を下方修正することとなった。夏の嵐は損害を与えたが、春の霜の被害は2016ほど酷くはないようだ。生産量は昨年を下回る(-6%)。

ブルゴーニュ・ボ-ジョレ(215万hl、 +4%、0%)
ボ-ジョレは乾燥した天候が続き、予想収穫量は再び下方修正された。4月末ブルゴーニュは霜に見舞われ、特にシャブリやクリュニー近郊で被害を被ったが、ボージョレでは被害がなかった。収穫は9月に終わった。かなりばらつきはあるもの、ブルゴーニュでの収穫が増加した為、地域全体の収穫量は対前年+4%と微増の予測。

アルザス(86万hl、+30%、+21%)
大規模生産者の収穫は終了している。春の霜の影響で、生産量は昨年を大きく下回る(-30%)。畑の衛生状態は収穫最後には悪化した。

サヴォワ(10万hl、-9%、-1%) ジュラ(3万hl、-61%、-52%)
ジュラでは霜の被害がひどく、生産量は大きく減少。サヴォワでは、収穫量は品種、区画によってとてもばらついている。

ロワール(228万hl、+8%、-7%)
現在収穫真っ最中のロワールだが、生産量はばらつきがある。収穫量が少なかった2011年に対し、+ 8 %と上回る予測だ。

シャラント(691万hl、-12%、-17%)
ブドウの成長期にタイミングよく雨が降り、同時に霜害を逃れたぶどうの収量の限度を引き上げる決定がされたため、前回の予想が上方修正された。4月の霜の影響が大きく、収穫量は対前年12%のマイナスと予想される。

ボルドー(372万hl、+45%、+33%) 南西地方(326万hl、-20%、-4%)
ボルドーでは例年より2週間早く収穫が始まり、9月末にはほぼ終了している。雨と暑さが交互に起こり、
霜の被害にあった畑の2番芽(contre-bourgeons)からのものもも含め、ぶどうは完全に成熟するに至った。生産量は前回予測から上方修正されたものの、豊作だった2016年に対し-45%、直近5年間の平均に対し-33%と、依然として低い水準だ。
南西地方では、ボトリティス菌による影響が懸念され、収穫が早まり9月末には終了した。4月末の霜と8月初めの雹の影響で、収穫量は対前年-20%と予測されている。

ラングドック・ルーシヨン(1,035万hl、-16%、-20%)
大半の畑で収穫は例年より早く終了した。暑く乾燥し風の強い天候が収穫まで続いたため、果汁の収量が減り、前回の生産量予測が下方修正された。オーブ県、エロー県では春の霜、ガール県では花ぶるいの影響が大きかった。地方全体の生産量は昨年を16%下回る予測だ。

南東部(450万hl、-22%、-17%) コルシカ(27万hl、-23%、-20%)
南東部では、例年より10日ほど早く収穫が終了した。乾燥、暑さ、強風が続いた影響で、前回の生産量予測は下方修正された。4月の霜や花ぶるいでグルナッシュは既に生産減が予測されており、全体でも昨年より34%減少の予測。

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2017年10月02日