<トピック>イタリアのレストラン、携帯電話を持ち込まない人にワインを無料で提供
ヴェローナに新しくオープンしたレストランは、食事に携帯電話を持ち込まないことに同意した客にワインのボトルを提供している。
Chris Mercer April 17, 2024 Decanter紙
イタリア北部の都市ヴェローナに最近オープンしたレストラン、アル・コンドミニオは、「仲間との食事を楽しむことに専念する」ために一時的に携帯電話を手放す客に対し「おいしいワインのボトル」を提供すると発表した。
「デジタル デトックス」特別オファーでは、携帯電話を鍵のついた引き出しにしまうことをレストランのスタッフに許可する代わりに、ワイン1本の無料提供が約束されている。
レストランのウェブサイトによると、このオファーに参加するカップルにはボトル1本がプレゼントされるが、グループで参加の場合は4名につき1本に変更されるようだ。
アル・コンドミニオの共同創設者アンジェロ・レラ氏は、「ヴェローナでのレストランのオファーは、既に多岐にわたり価値のあるものになっている。そのためそれらに代わる新しいオファーが必要だった。」と話した。
「そこで我々は、美食、ワイン、社交レベルで斬新かつ満足のいく体験を求めている人々に向けて、新しく興味をそそるものを提供する「デジタル デトックス」というコンセプトに取り組んだ。」
さらに、「テクノロジーから自分を解放するのは贅沢だ…なぜ贅沢か、それは今日、時間が真の価値であるからだ。美味しいワインを飲みながら、友人や愛する人、あるいは新たな出会いと共に過ごすならなおさらだ。」と付け加えた。
アンジェロ・レラ氏はデキャンタ誌に対し、このコンセプトは客の間で人気があり、中にはイタリアの他の地方から訪れる人もいる、と話した。
アル・コンドミニオは、住人たちがお互いをよく知っていて夏には皆でディナー催したりした「昔のコンドミニアム」の社会的側面からインスピレーションを得ている、とレラ氏は話した。同氏はヴェローナの企業家で、2019年にマイア・ワインを設立し現在はシエロ・エ・テラ・スパグループと共同所有している。
アル・コンドミニオのメニューの料理は、「庭師」、「1階の住人」、「スパイ」など、そのような邸宅で見かけるであろう人物にちなんで名付けられている。
一部の高級レストランでは、過去に、ダイニングルームでの電話に対して強硬姿勢をとったことがある。
ロンドンのイブニング・スタンダード紙は2016年、ロンドンの一部の一流シェフが、しかしながらソーシャルメディアの影響を考慮し、また料理の写真を撮りたい客への理解を反映し、態度を軟化させたと報じた。
ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・ソーシャル・サイコロジー誌に掲載された2018年の研究では、友人や家族との食事中に電話を使用すると気が散る、と回答する確率が高いことが分かった。そして食事の楽しみを半減させてしまうことも分かった。
「この研究は、電話は私たちを世界中の人々と繋ぐ力があるにもかかわらず、テーブルの向かいの人々との交流から得られる恩恵を損なう可能性があることを示唆している」と著者は述べた。